松田惣領と松田庶子

神奈川県足柄上郡にある松田町は、酒匂川と川音川の合流点を中心に河川流域が概要をなす商業のさかんな町で、温暖な気候を利用し茶やみかんなどの栽培がおこなわれています。

松田町には松田惣領と松田庶子という地名が存在します。

この惣領と庶子は中世の封建制度の用語で、中世の武士の相続は分割相続制をとっていて、女子も含め子に分配されましたが必ずしも均等相続だったわけではなく、主要部分を惣領(嫡子)と呼ばれる男子が継承し、残りの所領は惣領以外の男子(庶子)と女子とで分割相続しました。

長子だけでなく男子全員の中で一族を統率する能力のある者が惣領となって家を代表し、その能力のことは器量と呼ばれました。

幕府や荘園領主から課せられた公事は庶子や女子に分配されたり、戦争の際には庶子をともなって参加するなど、一族はそれぞれ独立した生計ながら惣領の統制下にありました。

松田町は、このあたりを支配していた豪族・松田氏に由来する地名と考えられています。

松田惣領は松田家・惣領の土地であり、松田庶子は松田家の惣領が庶子に分与した土地ということでしょう。

神奈川県平塚市土屋にも惣領分・庶子分という地名がありますが、同地を支配した土屋氏に由来するといわれています。